人が死んだら銀行はどうなるの?

 

預貯金相続手続き(銀行口座凍結解除)

 

◆最も効率よく進める手順◆

 

 

 

人が亡くなると、生活費葬式費用・もし病院や施設にかかっていた場合にはその支払い等、お金が出ていくことが多いです。そこで問題となるのが銀行口座の凍結です。

 

まとまった支払いが必要になる時期には痛手です。

 

 

銀行口座の凍結:銀行が預貯金を引き出せないように凍結させること

 

 

そこで、今回は最も効率よく凍結された銀行口座を解除し、預貯金を引き出す為の流れを分かりやすく解説していきます。令和1年7月1日に改正された民法による預金払い戻し制度なども有効活用する方法も一緒に解説していきます。

 

            もくじ

 

銀行口座が凍結されるまでの流れ

 

凍結した口座からお金を出す方法

 

 1.仮払い手続き

  a.仮払い手続きとは

  b.仮払い手続き必要書類

  c.仮払い手続きをするデメリット(注意)

 

 2.凍結口座解除

  a.凍結口座解除とは

  b.凍結口座解除に必要な書類(銀行別)

 

◆財産の相続手続きをこれから始める方向け◆

     ~最も効率的な進め方~

 1.各銀行へ相続開始の連絡をする

 2.被相続人の戸籍謄本類を請求

 3.各相続人に必要書類を送ってもらう

 4.法定相続情報一覧図を作成する (必要な方)

 5.法定相続情報証明制度を利用する (必要な方)

 6.財産調査・確定作業  (必要な方)

 7.仮払い制度を利用する (必要な方)

 8.遺産分割協議書を作成 (必要な方)

 9.銀行ごとに必要書類を提出

 

〇戸籍謄本or法定相続情報一覧図がある場合

〇遺言書・遺産分割協議書がある場合

〇遺産分割協議書をこれから作り進める場合

〇遺産分割協議書無しで進める場合

 

 


 

 亡くなってから銀行口座が凍結するまでの流れ

 

 

実は亡くなった方の死亡届を出した後も、カードと暗証番号を知っていればお金を下ろすことができるのです。では銀行口座が凍結されるタイミングはいつか?

 

 

主に下の2点です

銀行が新聞の訃報などから知った時

相続人が銀行に届け出た時

 

 

つまり銀行が口座名義人の死去を知った時に凍結されます。

 

 

銀行口座が凍結されていない間にお金を出すことは絶対にお勧めはしません。

相続税の対象ですし、なにより後で揉める可能性が非常に高いです。

 

家族が亡くなったらすぐに銀行へ知らせ凍結してもらいましょう。

 

 

効率ポイント

銀行へ死去の報告をすると同時に、銀行ごとの凍結解除必要書類の確認凍結解除申請書残高証明を発行してもらうと、この後の手続きが非常に楽です。

 

 

 


 

 

 凍結された銀行口座からお金を引き出す方法

 

 

凍結された銀行口座から預金を引き下ろす方法は、大きく分けて2種類あります。

 

1.仮払い制度

2.銀行口座凍結解除

 

※他にも種類はありますが、民法改正により、殆どこの2つが使われます。

 

 

 

 

1.仮払い制度を利用する

 

 1つ目は、預貯金仮払い制度の利用です。

 

 

 a.仮払い制度とは?

 

故人の預貯金債権額 × 1/3 × その相続人の法定相続分で

1銀行150万円までなら、他の相続人の承認を得ずに引き出せる制度です。

 

 

【具体的な例】

 

亡くなったお父さんの預貯金がA銀行に1200万円、B銀行に600万円あるとします

 

相続人は妻1人、子供2人

法定相続分は妻が2分の1で900万円

子どもが4分の1づつで1人450万円です

 

相続人の妻がA銀行から降ろせる金額

1200万円×3分の1×2分の1 = 200万円

150万円をこえているので、150万円まででしたら引き出せることになります。

 

子どもの1人がB銀行から降ろす場合はどうでしょう。

600万円×3分の1×4分の1 = 50万円

つまり子供一人がB銀行から降ろせるのは50万円までとなります。

 

 

 

b.仮払い手続き必要書類

 

払い戻しを受ける方の相続分を証明するための資料が必要です。

 

 

書類は主に下記2通りです。

 ①a.「故人の戸籍謄本」と「全相続人の戸籍謄本」

 ①b.払戻希望者の印鑑証明+本人確認書類

 

 ②a.「法定相続情報証明制度」

 ②b.払戻希望者の印鑑証明+本人確認書類

 

 

 

c.仮払い手続きのデメリット(注意)

 

借金などがあり相続放棄したいのに仮払いを利用すると、

相続放棄が出来なくなる可能性があります。

 

仮払い制度の利用で相続放棄ができなくなる(債務控除される財産とされない財産)

 

 

2.銀行口座の凍結を解除する

 2つ目は銀行口座の凍結そのものを解除する方法です。

 

銀行口座の解除とは?

 

ずばり、亡くなった人の銀行口座の凍結が解除される時と言うのは、

遺言書を元に払い戻す

遺産分割協議書通り分割する

相続人全員の同意を得て払い戻す

 

の3通りになります。ここでは銀行別必要書類から申請方法までまとめていきます。

 

 

・凍結口座解除に必要な書類は?

 ①共通必要書類

 

 ②各銀行ごとの必要書類

  ・三菱東京UFJ銀行
  ・三井住友銀行
  ・みずほ銀行
  ・ゆうちょ銀行

もくじ


 

 

 相続手続きをこれから始める方向け

 

 

 

1.銀行へ相続開始の連絡をする

 

 

このページの冒頭でも触れたとおり、相続が発生したら直ぐに銀行口座を凍結してもらうのが良いです。

誰かが故意に引き出す可能性も0ではないので、なるべく早い連絡をお勧めします。

 

 

相続の発生を伝えるとともに下記事項を確認し

メモを取ることをお勧めします。

 

 

①相続が発生した旨を伝える。

②銀行ごとの相続依頼書(請求書・届出書)には相続人全員の署名・捺印が必要か

③もし隔地に相続人が居たら、その場合はどうしたら良いか

 

を確認しておくことをお勧めします。

 

 

 

2.被相続人の戸籍謄本類を請求

 

銀行への連絡と平行して、

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を集めます。

 

注意する事は、途中で婚姻等による転籍があった場合は、その本籍地ごとに請求をかけ、死亡から出生までさかのぼって集めていきます。

 

出生までさかのぼる事で、初めて相続人が絞られてきます。

 

新しい戸籍謄本ではいなかったけど、幼少の頃までさかのぼると実は兄妹が居た。

なんて事もあるので注意です。

 

まずここで請求する書類はこちら

 

①被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

②被相続人の住民票の除票

 

①は手続きする銀行の数だけ用意します

※法定相続情報証明制度を利用する場合は1部で可

 

 

 

3.各相続人に必要書類を送ってもらう

 

この作業がなかなか時間と手間がかかる作業なのですが、

亡くなった方の戸籍謄本から絞られた相続人全員の資料を集めます。

 

銀行の口座解除手続きでは、下記の書類が大体必須になります。

 

①各相続人の印鑑証明書

②各相続人の戸籍謄本

③相続手続きを代表する旨の委任状

④戸籍謄本を代理取得する旨の委任状

 

※①~③は銀行の数だけ必要になります。

※法定相続情報一覧図を用意する場合は②は1部で結構です。

※④は万が一に備え、あると安全です。

 

 

 

4.法定相続情報一覧図を作成する

 

被相続人戸籍謄本と相続人全員の戸籍謄本を元に、

法定相続情報一覧図を作成します。

これで相続人確定作業は完了です。

 

書き方についてはこちらをみて頂けると分かります。

 

 

 

5.法定相続情報証明制度を利用する

 ※不要な方は6へ飛ばして下さい※

 

この法定相続情報証明制度は非常に便利です。

これが1枚あるだけであらゆる相続手続きに使うことができ、かなりの時短になる場合が多いです。

 

必要書類

 

①:被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

②:被相続人の住民票の除票

③:全相続人の戸籍謄本

④:4で作成した法定相続情報一覧図

⑤:代表者の免許証・マイナンバーカード等

 

これらを登記所に提出し、証明登録されて完了です。

この時注意したいのが、複数枚発行してもらいましょう。

発行は無料ですので銀行の数は最低でも発行してもらってください。

 

 

申請する登記所は下記の管轄であればどちらでも大丈夫です。

 

⑴被相続人の本籍地(死亡時の本籍)

⑵被相続人の最後の所在地

⑶申出人の住所地

⑷被相続人名義の不動産の所在地

 

 

 

6.財産調査・確定作業

 ※お済みの方は7へ飛ばして下さい

自分でできる相続財産の調査方法

 

 

7.仮払い制度を利用する

 ※不要の方は8へ飛ばして下さい

 

仮払い制度必要書類はこちら

 

 

 

8.遺産分割協議書を作成

 ※不要・作成済は9へ飛ばして下さい

 

”亡くなった方の財産を誰がどのくらい相続するか”

決定した結果を書面にまとめたものが遺産分割協議書です。

 

後で言った言ってないの紛争を避けるため、分割協議書が作成されます。

 

預貯金の相続手続きでも、銀行によっては協議書があると楽に進める事ができます。

 

くわしくはこちら

 

 

 

9.銀行ごとに必要書類を提出

 

最後に銀行ごとに必要書類を提出したら完了です。

下記ページにて必要書類等詳しくまとめてあります。

 

口座凍結解除に必要な書類(銀行別情報)