遺産調査の方法。1人で終わらせる為の説明書

 

相続放棄は3ヶ月以内に放棄しなければなりません!

相続税の支払いは10ヶ月以内にしなければなりません!

 

最も効率よく調査するために、何故この順番で調べていくか理由を付けて解説していきます。

 

 

 

相続財産がどれくらいあるのか?

 

これが確定しなければ、遺産分割協議も出来ないし、

相続放棄をすべきか、そうでないか。もわかりません。

 

しかし同居でもしていない限り、相続財産の把握はなかなか難しいですよね。

効率の良い調査の進め方を説明していきます。

 

遺産「探すものリスト」

 

 預貯金通帳

 土地・建物

 株式・公社債・投資信託等金融商品

 着物・貴金属・絵画・骨董品

 自動車

 貸付金(債権)・賃貸借

 ゴルフ会員権

 借金(債務)

 

等々…主に代表例をリストにしてみました。

優先順位が高く早急に調査したほうが良い遺産を赤字で書いてます。

 

ページを進むと探し方や必要手続き等を解説しています。

 

 

遺産調査の進め方

 

まず初めに調査するのは郵便物・預貯金です。

ここで大体の遺産情報を把握していきます。

 

 

【1】預金通帳を調査

 

預金通帳からお金の流れを把握していきます。

 

賃貸の収入の有無

固定資産税の引き落としの有無

 

これらも確認することが出来る場合があります。

 

 

 通帳の探し方

 

 

自宅の金庫・引き出し等、通帳や印鑑がありそうなところを探してみます。

 

カレンダーや貯金箱・タオルに銀行名が書いてある場合もあります。

 

銀行からの郵便物(年賀状なども無いか)念入りにチェックしておきましょう。

 

 

 

【2】郵便物・引き出しを調査

 

探す郵便物一覧

 

・銀行からの郵便物

・信託会社・株式・社債・国債関係の郵便物

・固定資産税の支払い関係

・生命保険等、保険関係

・ゴルフ会員権等、権利関係

・催促状(借金がある場合)

 

 

これら相続と関係がありそうな郵便物を保存します。

 

銀行やゴルフ会員から貰うカレンダーや、タオル類が無いかなどもキチンと確認しておきましょう。

 

 

 

 

遺産調査の手順・必要書類

 

 

 

財産調査によりある程度把握できてくると思います。

 

まずはリストを作ることをお勧め致します。

 

 


 

1.預貯金

 

まず一番初めに調べるのは預貯金です。

 

 

 

【調査方法】

 

銀行名がわかれば、各金融機関に問合せ、残高証明の申請をしましょう

 

 

 

【残高証明書申請に必要な書類】

 

 

①被相続人の戸籍謄本

 ※大体の銀行は死亡が確認できる戸籍謄本があれば対応してくれますが、

  いずれする相続手続きでは出生から死亡までの戸籍が必要です。

 

②発行を依頼する相続人の戸籍謄本

 ※遺言執行者・相続財産管理人であると証明する書類でも可

 

③依頼する相続人の実印と印鑑証明書

 

④発行手数料(数百円程度/1通)

 

 


 

2.不動産

 

 

実は財産調査の殆どが、預貯金(現金)と不動産関係になります。

預貯金の次は不動産関係を徹底的に調べましょう。

 

 

調べる内容

 1.不動産はどこに、いくつ所有しているか。

 2.不動産の権利関係

 3.不動産の価値(価格)


効率よく調査する順序

~もくじ~

 1.自宅で探す書類

 2.市町村役場にて名寄帳を取得

 3.法務局で登記簿を取得

 4.不動産価格を調べる

 


 

効率よく調査する順序

 

 

 1.自宅で探す書類

 

登記済権利書or登記識別情報通知

 

不動産の所有権を手に入れると、司法書士から

登記済権利書」「登記識別情報」と言う書類が渡されます。

住所や地番、受理された年月日、法務局の判子が押してある。

 

見つけたら保管+スマホでページ写真を撮ります

 

 

固定資産税納税通知書(課税通知書)

 

不動産を所有していたら殆どの場合、固定資産税がかかります。

毎年5月あたりに届くものです、探して保管+写メを撮りましょう。

 

ちなみにこの紙には「評価額」が書いてある。

役所の決めたその不動産の価格である。

 

 

 

 2.市町村役場にて名寄帳を取得

 

自宅でこれらの書類を探し終えたら、次は「名寄帳」を取りに行きます。

ここで注意したいのが法務局に行く前に名寄帳を取得する方が効率が良いです。

 

法務局で登記簿を取得するには不動産ごとの地番などが必要なので、

先に抜け目なく、全て取得したほうが一度で済むからです。

 

 

名寄帳とは?

 

いち、市町村内にその人が持っている不動産全部をまとめた書類です。

つまりその市町村以外の不動産は別の名寄帳に記載されています。

 

 

【名寄帳 取得方法】

 

 

登記済権利書や固定資産税通知書、親族からの情報などで

不動産がある場所をある程度絞って市町村役場に依頼していきます。

 

市町村役場の資産税課にて「名寄帳をください」

と言うだけです。

 

請求書が渡されますのであらかじめ用意した必要書類と共に出します。

 

 

【名寄帳 必要書類】

 

 

親族が請求する場合に必要なのは、本人確認書類です。

 

注意が必要なのは、顔つきの公的身分証1枚+クレジットカードや保険証等数枚見せる事が多いです。

 

多めに本人確認書類を持参しましょう。

 

 

【固定資産評価証明書も一緒に取得】

 

 

名寄帳を発行してもらったら、同じ資産税課で

固定資産評価証明書

を発行してもらえます。

 

(中には名寄帳請求書にチェックを付ければ同時発行してくれる役所もある)

 

こちらの証明書は、市町村がどれくらいの価格を付けているかがわかる書類です。

 

後に不動産の名義変更をするときに使うことになります。

 

取得せず帰ってしまうと再度、足を運ぶことになります。

 

 

 3a.法務局で登記簿を取得

 

 

最後に行くのが法務局です。

何故最後かと言うと、先程も書いたように不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)は,物件の所在地番などが分からないと取れないからです。

 

不動産の場合は物的編成主義がとられ、「物」ごとに帳簿が作られているからです。

 

【持ち物】

 

・登記済権利書

・登記識別情報通知

・固定資産税の課税通知書

・名寄帳

 

これらを持ち、法務局へいざ出陣です。

 

 

【登記簿謄本(登記事項証明書)請求用紙 記入】

 

 

・登記は土地と建物が別なので土地か建物にチェック

・地番などを記入していく。

・欲しい枚数も書くがここは1枚で構わない。

・「共同担保目録」も現に効力があるものだけ請求する(抵当権などがついていたら,担保に入っている物件がわかる)

・最後に下の欄の「登記事項証明書」というところにチェックを忘れず

 

 

 3b.インターネットで登記簿を取得

 

 

今の時代はインターネットでも登記簿を閲覧することが可能です。

 

一般財団法人民事法務協会

※国の認可を受けて設立された「法務協会」のリンクです

 

上記リンクにアクセスし、

「一時利用」

と言うところから申込します。

 

「個人利用」だと登録料がかかりますので注意

 

そこにクレジットカード等を登録し地番等を入力し、そのまま印刷すれば自宅に居ながら簡単に登記簿謄本を手に入れることが出来ます。

 

ただし、公印が無いので公文書には使えません。

つまり役所などでは使えませんが、遺産分割協議だけでしたら十分用が足ります。

 

 

 

 4.不動産価格を調べる

 

遺産分割協議において、遺産の評価額や評価方法で争いになる事もしばしばあります。

何故なら不動産と言うのは色々な評価方法があるためです。

 

ただ、相続においては

 

建物:固定資産税評価額

土地:路線価

 

にて価値を算定することが一般です。

 

固定資産税評価額は、市町村が決めている建物の評価です。

名寄帳を発行する時に同時に請求すると少し前に説明しました。

 

路線価については、国税庁が公表しておりますので、

こちらの国税庁のウェブサイトにて確認してください。

 

自分が見たい都道府県をクリック

路線価図をクリック

見たい住所をクリック

 

100D

 

等と書かれていますが、1平方メートルあたり

単純にアルファベット前の数字を10で割った数×万円です

 

【例】

100D:10万円

57F  :5.7万円

 

とりあえず一旦ここではアルファベットは無視してしまいます。

 

 

いかがでしたか?

これで不動産の遺産調査は完了です。

 

 

 

3.借金の調査

 

調査方法は4つです。

 

 

1.郵便物を調査

 

 亡くなってから借金の返済が少し遅れただけでも、すぐに催促状が届きます。

その催促状や、返済計画書から債務の額が判明することも有ります。

 

 

2.預金通帳から調査

 

 毎月決まった金額が返済として引き落とされていたら、そちらに連絡をして残債務を照会する方法です。

 

 

 

3.引き出しなどから発見

 

 引き出しに保証人になったことが記されている書類等はありませんか?

 個人間で借りた債務は4で紹介する信用機関へは登録されませんよ。

 

 

4.信用情報機関へ問合せ

 

この手続きは必ず行った方が良いです。

自宅での調査で見つからない場合でも、この機関に登録されている場合もありますので非常に注意です。

 

 借金などの情報は、信用情報機関と言う場所で管理されます

これは個人情報なのですが事実上全国の銀行やカード会社が照合することができるのです。

 

ただし一般の方が照合するには、相続人である書類などを提出する必要があります。

 

 

● JICC(日本信用情報機構)

【問合せ先】0120-0120-441-481

 【手数料】郵送請求手数料1,000円

 

消費者金融に対しての債務状況がわかります

 

 

● CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)

【問合せ先】0120-810-414

 【手数料】郵送請求手数料1,000円

 

クレジット会社に対しての債務状況がわかります

 

 

● KSC(全国銀行個人信用情報センター)

【問合せ先】0120-540-558

 【手数料】1,000円(郵送請求のみ)

 

銀行に対しての債務状況がわかります。

 

 

 

【必要書類】

 

・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

・照会請求者本人の戸籍謄本

・照会請求者本人の身分証

 

 


 

4.株式、公社債、投資信託などの金融商品

 

 

これらの金融商品を問い合わせていく先は、基本的に下記3つです。

  •  
  • ・証券会社
  • ・信託銀行
  • ・その他の銀行や金融商品取引業者など

 

上場していない会社の株式はその会社です。

 

 

これら書類を家で見つけたら必ず問合せ

 

  • 株主総会召集通知
  • 取引口座の約款
  • 取引残高報告書や利払い報告書
  • 取引報告書や運用報告書
  • 株式会社の事業報告書
  • 国債など債券の保護預かり通帳(証書)

 

 

上記書類たちを発見したら、その証券会社・銀行等に下記書類を発行して貰います。

 

  • 1.取引残高報告書
  • 2.取引・運用報告書

 

 

【必要書類】

 

  • ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • ・相続人全員の戸籍謄本
  • ・相続人全員の署名・捺印
  • ・相続人全員の印鑑証明書

 

会社にもよるのですが大体これで事は足ります。

まずは相続発生の連絡をし、必要書類を送ってもらいましょう。

銀行の凍結口座解除と殆ど同じ手続きとなります。

 

 


 

5.ゴルフ会員権の相続手続き

 

次にゴルフ会員権です。

 

 

【調査方法】

 

被相続人が生前ゴルフが好きで、ゴルフ会員であれば大体話には出てくるかと思います。

 

ゴルフ会員証や、郵便物から見つかれば早速手続きに進みます。

 

 

【ゴルフ会員権相続の流れ】

 

 

ゴルフ会員権の相続は2パターンです。

 

 

1.市場で売却し、現金化する

  相場表(参考まで)

 

2.会員権を名義変更して相続人が会員となる

 

 

いずれのパターンでも、必要な手続き、書類があります。

 

 

最初のステップはゴルフ場へ連絡です。

 

相続同意書や必要書類を送ってもらいましょう。

 

 

【必要書類】

 

大体必要になる相続書類はこちらです。

もう、ほとんどの手続きで同じになってきますね。

 

  • ・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • ・相続人全員の戸籍謄本
  • ・相続同意書
  • ・相続人全員の署名・捺印
  • ・相続人全員の印鑑証明書

 

 

6.動産の価値を調査

 

 

車の価値なども、複数の業者に依頼して見積もりを出してもらうと良いでしょう。

 

貴金属や着物なども同様に、複数業者で査定してもらいます。

 

財産目録には自転車から家電までお金に変わりそうなものは全て記載していきます。

 

 

財産目録を作成

 

 

これにて相続財産の調査は終了です。

 

実務上で財産調査を行うときは、更に複雑です。

 

その後の名義変更や、税金面等と様々な事を念頭におき、調査を進めていくためです。

 

 

ですがここに書いてある通り調査をしていけば間違いはないです。

 

最後に調査が終えたら是非、財産目録を作っていきましょう。